長年親しまれた「パジェロ」の名がダーツ盤から姿を消した背景には、テレビ番組の枠を超えた自動車産業の構造変化と企業危機が存在します。
第1の要因は、2000年代前半に発覚した三菱自動車の「リコール隠し問題」です。社会的な大バッシングを受けるなかで同社は一時的に番組スポンサーを降板し、CM放送の自粛を余儀なくされました。この期間、ビッグチャレンジの盤面からパジェロの文字が消え、番組独自調達の別車種や旅行券などへ差し替えられる事態が発生しました。
スポンサー復帰後も、消費者のニーズは本格クロスカントリー車から、燃費性能に優れ室内空間の広いミニバンやクロスオーバーSUVへと急速にシフトしていきました。その結果、三菱の看板車種となった「デリカD:5」への景品変更が行われ、客席からは「デリカ!デリカ!」という新たなコールが響くことになります。
決定打となったのは、2019年のパジェロ国内販売終了(2026年に海外向けを含め完全生産終了)です。歩行者保護基準の強化や環境性能への対応、市場縮小が重なり、37年の歴史に幕を閉じたことで、フレンドパークのダーツにパジェロが復活する物理的な道は完全に閉ざされました。時代のスター車種とともに歩んだ番組の宿命的な幕引きでした。