薬剤の効能を最大限に引き出すためには、陶器表面から排水管への入口にあたるパーツを物理的にメンテナンスする技術が必要です。数々の商業ビルでメンテナンスを手がける設備技師の手記や作業プロトコルによると、最も初歩的かつ決定的な成果を挙げるのが「トラップの分解洗浄」です。
まず取り組むべきは、目皿の頑固な尿石落とし方です。排水口に鎮座する目皿(スプレッダー)を取り外し、バケツに入れたぬるま湯とサンポール尿石除去効果を利用して浸け置きを行います。目皿の網目に固着した尿石は、マイナスドライバーの先端やワイヤーブラシで軽く小突くだけで、炭酸カルシウムの結晶がポロポロと剥がれ落ちていきます。
続いて行うのが、小便器排水トラップ分解掃除です。現在普及しているTOTO小便器つまり修理の現場で頻繁に目にするのが、U307RやUFS800/900シリーズに代表される着脱式トラップ管です。トラップ本体が樹脂製の場合、反時計回りに回すことで簡単に引き抜くことが可能です。トラップ内部に堆積したスラッジを取り除き、便器本体側のくぼみに溜まっている停滞水を完全に吸い出した上で、強力な尿石除去剤デオライトLを約250g〜300g静かに注ぎ込みます。
注入後は換気扇を全開にし、約30分から1時間放置。酸の化学反応によって配管壁面から遊離した尿石を、バケツ一杯の水(約10リットル)を一気に流し込んで下流へと洗い流します。この一連のプロセスを踏むことで、業者を呼ぶことなく小便器つまり自力で直す方法として最も確実な導通回復が得られます。