大粒で漆黒の艶を放ち、煮込んでも皮が破れにくく、もっちりとした極上の食感を持つ「丹波篠山黒豆」。全国に数ある黒豆の中でも別格とされるこの豆の品質を、数百年にわたり支えてきたのが小田垣商店だ。だが、その圧倒的なクオリティがどのように保たれているのか、その舞台裏を知る者は少ない。
現場を訪ねて目を見張るのは、機械化が進む現代においてもなお貫かれる徹底した手作業の選別工程だ。熟練の選別職人たちが、朝のやわらかな自然光のもとで豆を一粒ずつ指先で転がす。光の当たり具合、皮のわずかな張り、微細な傷や歪み。機械のセンサーでは決して拾いきれない違和感を、研ぎ澄まされた職人の指先と眼力が見逃さない。「本物の黒豆は、宝石と同じです」と語る職人の手元では、規格を満たした完璧な球体だけが選り分けられていく。この妥協なき選別こそが、最高峰のブランドを支える心臓部だ。