『終わりなき旅』は、音楽ファンの枠を飛び越え、極限の勝負の世界で生きるトップアスリートたちの「精神的支柱」として長年愛用されてきました。その代表格が、サッカー元日本代表主将の長谷部誠氏です。自身の著書『心を整える。』やメディア取材において、試合前に心を平常に保ち、覚悟を決めるためのルーティンとしてこの曲を聴き続けていたことを公言しています。
また、サッカーの本田圭佑選手やスノーボードの平野歩夢選手、プロ野球界でも多くの投手がマウンドに向かう登場曲として指定してきました。彼らがなぜ、軽快なアップテンポの曲ではなく、この重厚なナンバーを選ぶのか。その理由を分析すると、トップアスリート特有のメンタリティに行き当たります。
プロの現場は、日々の過酷な鍛錬、怪我への恐怖、そして何万人もの視線に晒される孤独な戦場です。そこで求められるのは、一時的なテンションの上昇ではなく、己の迷いを受け入れた上で肚を括る「静かなる闘志」です。「次の扉をノックすること」「壁の向こうへ挑み続けること」を歌うこの曲は、勝利の栄光だけでなく、敗北の痛みを知るアスリートの心に最もリアルに刺さるのです。
一般のリスナーにおいても同様の現象が観察されます。転職活動の面接直前、難関資格試験の朝、あるいは家族の看病や自身の闘病生活の最中など、「逃げ出したくなるほどのプレッシャー」に直面した現場で、本作は他の追随を許さない支持を集めています。