観光地として全国屈指の知名度を誇る神奈川県三浦半島ですが、国土交通省に登録された正式な道の駅は1箇所もありません。神奈川県全体を見渡しても道の駅は山北や箱根峠、清川、足柄など山間部や県西エリアに偏っており、三浦半島一帯は長年「道の駅空白地帯」となっています。
なぜこれほど観光需要が高いエリアに道の駅が整備されてこなかったのか。その背景には、三浦半島に道の駅がない理由として挙げられる独自の地域事情があります。半島内の幹線道路である国道134号や三浦縦貫道路沿いには、公営の道の駅が整備される以前からJAよこすか葉山や地元漁協による大規模直売所が自然発生的に発展してきました。民間や農協主導の拠点がすでに強固な集客力を確立していたため、多額の公金を投じて新たな登録施設を建てる行政上の優先度が低かった点が挙げられます。
一方で、近年の車中泊ブームや広域観光拠点の整備要請を受け、地元自治体や経済界の間では三浦半島道の駅新設計画や既存施設の道の駅化に向けた議論が水面下で度々交わされています。特に観光客の周遊性向上や災害時の防災拠点化を目的とした新拠点構想は注目を集めており、今後の地域開発における重要な論点となっています。