屋台でサモサを頼んで、本体だけを齧るのは片手落ちだ。名脇役のチャツネがあって初めて、味のサイクルが完成する。鮮やかな緑色のミント&コリアンダーソースは切れ味鋭い清涼感を、赤褐色のタマリンドソースは甘酸っぱく濃厚なコクをプラスする。緑、赤、そのまま。一口ごとに表情を変えるリズムがたまらない。
現地流の崩し技「サモサ・チャート」も試す価値がある。ボウルに入れたサモサをスプーンで無造作に割り、上からひよこ豆のカレー、ヨーグルト、刻みタマネギ、チャツネをぶっかける。カリカリの皮がスパイスの海に浸り、しっとり馴染んだ瞬間をかきこむ背徳感。上品に食べる必要など微塵もない。