『はぐれ刑事純情派』が他の作品と一線を画していたのは、犯人追跡のサスペンス以上に、事件の裏にある人間の孤独や切なさを救い上げるヒューマンドラマとしての深みだった。そして、その情愛の拠り所となっていたのが安浦姉妹という存在だ。
しっかり者で妹思いの長女・直子を演じた小川範子と、天真爛漫でどこか憎めない次女・由美を演じた松岡由美。実の姉妹さながらの軽妙な掛け合いや、父親を思いやる健気な姿は、作品に確かなリアリティを与えていた。18年におよぶ長期シリーズの中で、ふたりが少女から大人の女性へと成長していく過程は、全国のお茶の間が自分の娘のように見守った歴史でもある。