狩野英孝というタレントの原点を語る上で欠かせないのが、テレビ朝日系の『ロンドンハーツ』だ。ポンコツでありながらどこか憎めないナルシストキャラを演じさせたら、彼の右に出る者はいない。番組スタッフや共演者からも「笑いの神に愛された男」として重宝され、ドッキリ企画の主役として爆発的な人気を獲得した。
だが、その素直すぎる性格は私生活での防波堤を低くした。所属事務所であるマセキ芸能社は、ウッチャンナンチャンやバカリズムらを擁する老舗プロダクションだが、相次ぐスキャンダルには頭を悩ませ続けた。当時の関係者は「事務所としても守り切れるかギリギリのラインだった」と証言する。それでも事務所が彼を見捨てなかったのは、彼の根底にある人間性と、周囲から愛される天性の素質を知っていたからに他ならない。