三色団子を手にした際、上から「ピンク(赤)」「白」「緑」の並び順が崩れることはほとんどありません。この固定された配列には、日本人が古来培ってきた自然観と洗練された表現技法が凝縮されています。
最も広く知られているのが「春の情景と四季の移ろい」を表しているという説です。一番上のピンクは「春の桜や蕾」、中央の白は「冬の名残である雪(あるいは春霞)」、そして一番下の緑は「雪の下から芽吹く新緑(あるいはヨモギ)」を象徴しています。つまり、冬の雪解けから草木が芽吹き、桜が咲き誇るまでの自然のドラマを1本の串の上で下から上へと時間軸に沿って表現しているのです。
また、別の視点として「太陽(ピンク)」「大地・雪(白)」「草木(緑)」という自然の恵み全体を表しているという解釈や、宗教的・民俗学的な厄除けの意図も強く働いています。赤(ピンク)は古くから魔を祓う色、白は神仏に捧げる清浄無垢な色、緑は生命力に溢れ邪気を払う薬草の色とされ、口にすることで無病息災と延命長寿を祈願する儀礼食としての役割を果たしてきました。
さらに、三色団子には日本独特の洒落(しゃれ)が利いた「言葉遊び」も伝えられています。春夏秋冬の四季のうち、三色団子は「春(ピンク)」「夏(緑)」「冬(白)」を現しており、「秋がない」ことから「飽きがこない(食べ飽きない)」、そして「商い(商売繁盛)」に通じるという縁起担ぎです。江戸時代の町人文化の中で、こうした言葉遊びが団子の普及に一役買ったと記録されています。