熱心にお手入れをしているにもかかわらず、「爪のピンクの部分が白く後退した」「一向に伸びない」と嘆く声は後を絶ちません。皮膚科医や育爪ネイリストへの取材から浮かび上がったのは、日常生活の中に潜む無自覚な手の使い方です。
最大の要因は、爪先を「道具」として酷使する癖にあります。ダンボール箱のテープを爪で裂く、シャンプー時に爪を立てて頭皮を擦る、パソコンのキーボードを指の腹ではなく爪の先端で叩く――こうした動作のたびに、爪甲は上方向へとめくられるようなテコの原理を受け、ハイポニキウムが微小断裂を起こしています。白く見える部分は爪甲が皮膚から浮き上がっているサインであり、放置すると爪甲剥離症へと進行するリスクすらあります。
さらに見落とされがちなのが「爪の間に入った汚れを爪楊枝やブラシで強く掻き出す」行為です。育ちかけた柔らかいハイポニキウムを自ら削り取っている状態に他なりません。万が一、衝撃や乾燥によって爪のピンクの部分が剥がれた際の対処法としては、無理に押し戻そうとせず、患部を清潔な流水で洗い流したうえで低刺激の白色ワセリンなどで密閉保護し、テープで固定して安静を保つことが鉄則です。刺激の強いエタノール消毒の乱用は皮膚再生を遅らせるため避けなければなりません。