順風満帆に見えたキャリアに最大の転機が訪れたのは2019年1月だった。FA移籍した丸佳浩の人的補償として、広島東洋カープへの移籍が発表されたのだ。巨人軍の生え抜きスターであり、長年チームの顔だった男の移籍は、球界全体に巨大な衝撃を与えた。
しかし、長野の凄さはここからだった。不平不満を一言も漏らさず、「選んでいただいて光栄です」と爽やかに広島の地へ降り立った。新天地でも若手選手に優しく声をかけ、自ら進んで声を張り上げる姿に、マツダスタジアムのファンは瞬く間に魅了された。敵地・東京ドームで長野が打撃席に立つと、赤とオレンジのメガホンが同時に揺れるという、プロ野球史に残る温かな光景が生まれた。