アーティストの市場価値を担保するのは、オークションの落札価格だけではない。むしろ、国際的な権威を持つ展示空間での評価こそが、長期的な資産価値の決定打となる。東京の森美術館が打ち出す先進的な企画展や、世界最高の権威を誇るニューヨーク近代美術館(MoMA)による永久所蔵コレクションへの選出は、作家にとって決定的な信用手形となる。
さらに、国際美術展の最高峰とされるヴェネツィア・ビエンナーレでの展示実績は、新鋭作家が一躍トップアーティストへと躍進する登竜門だ。これらの主要機関がどのテーマを取り上げ、どの作家に光を当てるか。主要なキュレーターたちの視線と決定が、数年後の世界的な価格高騰を決定づける構造は今も変わっていない。