かつて「名前が出てこない」悩みといえば、シニア世代の代名詞のように語られていた。しかし、近年の臨床データは異なる現実を突きつけている。大手脳神経クリニックの調査によれば、2025年から2026年にかけて「記憶力の低下」を理由に受診する30代〜40代の患者数が約1.4倍に増加したという。
主犯格と目されているのが「デジタル認知疲労」だ。スマートフォンやウェアラブル端末、AIアシスタントの普及により、私たちの脳が一日あたりに処理する情報量は20年前の数十倍に跳ね上がった。常に情報を受信し続ける脳は、いわば「ブラウザのタブを100枚開きっぱなしにしたパソコン」と同じ状態である。このオーバーヒート状態が、最も繊細な言語検索機能に真っ先に影響を及ぼしているのだ。