四国旅行の第一歩として外せないのが、日本最古の温泉の一つとして数えられる松山市の道後温泉本館だ。保存修理工事を経て、歴史的な木造建築の重厚さと現代アートが融合した姿は圧巻の一言。明治期の面影を残す木造3階建ての意匠は、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』に登場する油屋のモデルの一つになったことでも広く知られており、夕暮れ時にガス灯が灯る風景は写真に収めずにはいられない魅力がある。
だが、四国の真骨頂は定番の先にある。愛媛から高知へ抜ける「四国カルスト」の縦断ルートは、標高約1,400メートルの尾根沿いに白いカルスト放牧地が広がる雲上のドライブコースだ。さらに徳島県・祖谷(いや)の断崖絶壁に架かる「祖谷の蔓橋(かずらばし)」や、幾重にも曲がりくねる四万十川の沈下橋を巡るルートは、都市の喧騒を完全に忘れさせてくれる。
旅の満足度を決定づける地元の限定グルメも外せない。高知県のひろめ市場で味わう分厚い初鰹の塩タタキ、愛媛県宇和島の生卵と特製タレで楽しむ鯛めし、香川県で早朝から並ぶ讃岐うどんの生醤油がけ、そして徳島県祖谷の秘湯で味わう祖谷そばと鮎の塩焼き。地元メディアの独自取材が明かすこれらの味覚は、現地でしか体験できない極上の美食だ。