この歴史的怪作を生み出したボカロ界の異才、cosMo@暴走Pの手腕は今振り返っても恐ろしいほど先駆的だった。当時、インターネットカルチャーのアンダーグラウンドで熱狂を生んでいたスピードコアや高速電波ソングの文法を大胆に取り入れ、従来のポップミュージックの構造を根底から解体したのだ。
人間が歌うことを前提としないアプローチは、初期のボーカロイド音楽シーンに決定的なパラダイムシフトをもたらした。メロディの心地よさだけに依存せず、リズムそのものを極限まで加速させて聴覚をハックする手法は、音楽表現のフロンティアを一気に押し広げる契機となった。