ミルクという存在は、単なる動物園の飼育動物という枠を超え、多くのファンにとってかけがえのない「日常の光」でした。その軌跡を振り返ると、いかに彼女が特別な個体であったかが分かります。
2012年12月4日、秋田県の男鹿水族館GAOで父・豪太と母・クルミの間に誕生したミルクは、生後間もない頃から好奇心旺盛な姿で来園者を魅了しました。プラスチック容器を頭にかぶって歩き回ったり、ガス管を抱えて二足歩行を披露したりと、まるで着ぐるみを着た人間のようなコミカルな仕草がテレビ番組やSNSで爆発的な人気を呼びました。
2014年1月、繁殖プロジェクトのため釧路市動物園へ移籍した後も、彼女の人気は衰えることを知りませんでした。遠方から毎月のように釧路へ足を運ぶ熱心なファンコミュニティが形成され、園の売店にはミルクのオリジナルグッズが並び、地域経済にも大きな貢献をもたらしていました。
それだけに、突然の事故死に対するミルク死亡ネットの反応は凄まじいものがありました。Twitter(現X)では速報直後からトレンド上位を独占し、「信じられない」「涙が止まらない」といった悲痛な叫びが溢れました。釧路市動物園に設置された献花台には数千本を超える花束とおもちゃ、手紙が供えられ、後日開催された白くまミルクお別れの会には、全国から多くの支援者が集まり、その早すぎる死を悼みました。