老朽化した旧店舗から目と鼻の先、再開発区画へ移転した際に提示されたコンセプトは、従来の百貨店の常識を覆すものだった。売り場面積を大幅に絞り込み、身の丈に合った高効率な「コンパクト百貨店」へと舵を切った決断だ。当時は「縮小均衡ではないか」と懐疑的な声も聞こえたが、蓋を開けてみればその戦略は見事に当たった。
無駄なスペースを極限まで削ぎ落とし、厳選されたアパレル、生活雑貨、そして圧倒的な熱量を誇る食品フロアにリソースを集中。結果として坪単価売上は旧店舗時代を大きく上回り、過大な設備投資に苦しむ全国の地方百貨店に強い衝撃を与えた。棚を埋めるための大量陳列を捨て、一品一品の質と文脈を伝えるディスプレイへと変貌を遂げたことが、現代の消費者の感性に合致したと言える。