なぜ『変わらないもの』のサビを聴くと、心の一番柔らかい部分が揺さぶられるのか。その答えは、巧妙に設計されたコード進行の中に隠されている。
サビの冒頭で展開される「F - G - Em - Am」(いわゆる王道進行・カノン進行の派生)は、哀愁と爽やかさが同居する独特の感情を生み出す。さらに、サビ後半に挿入されるサブドミナントマイナーや、分数コード(F/GやC/E)による滑らかなベースの下降ラインが、言葉にならない切なさを倍増させているのだ。テンションコードを控えめに抑え、和音のルート音の変化で物語を語る手法は、まさに奥華子流の真骨頂である。