こうしたトラブルが多発する背景には、2019年に施行された「特定チケット不正転売禁止法」と、それに伴うライブ・エンターテインメント産業全体の意識改革がある。
一般社団法人日本音楽事業者協会(JAME)をはじめとする業界団体は、高額転売の撲滅と鑑賞機会の公平化を強く推進してきた。定価を超える価格での二次流通や、主催者の同意を得ない転売行為に対しては、法的措置を含めた厳格な姿勢で臨んでいる。
かつてはグレーゾーンとされていた売買サイトでの取引も、現在では主催者による監視システムが高度化。AIを用いた出品情報の解析により、座席位置やチケットIDが特定され、即座に無効化されるケースが常態化している。法規制と技術的対策の相乗効果により、非公式な転売ルートの締め付けは今後さらに強まることは確実だ。