歴史を振り返れば、親指に装着する指輪――通称サムリングは、かつて弓を引く際の保護具や、貴族が権力を示すための象徴であった。現代のポップカルチャーにおいてこのスタイルを世界的に決定づけた第一人者といえば、俳優のジョニー・デップだろう。
彼が主演を務めた大ヒット映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界観とも連動するように、ヴィンテージ感あふれるシルバー925のリングを親指に重ね付けするスタイルは一世を風靡した。当時、クロムハーツに代表される重厚感あるシルバーアクセサリーが爆発的ブームとなり、ロックで野性味あふれる手元の象徴としてサムリングが定着した歴史がある。しかし、その強烈なイメージが残っているからこそ、現代のクリーンな装いの中にそのまま持ち込むと「時代遅れ」に見えてしまうギャップが生まれるのだ。