1970年代、韓国の平均寿命は62歳に過ぎなかった。わずか半世紀余りの間に20年以上も寿命を伸ばした軌跡は、経済史における「漢江の奇跡」と見事に重なる。1989年に全国民をカバーする医療保険制度が完成したことで、一次診療から専門治療に至るアクセスが劇的に改善した。
胃がんや乳がんといった日本同様に多い疾患に対し、国家主導の定期検診システムが徹底されたことも大きい。早期発見と早期治療のサイクルが全国津々浦々まで定着した結果、慢性疾患による死亡率は著しく低下した。乳幼児死亡率の激減も相まって、統計上の寿命カーブは急角度で上に向かったのだ。