幼虫・卵・サナギが密集する室内環境をリセットするには、薬剤だけに頼るのではなく、物理的な熱と吸引力を組み合わせた初動対応が不可欠です。
まず実践すべきは、ノミの幼虫に対する掃除機を用いた徹底吸引です。掃除機をかける際は、一般的なホコリを吸うスピードではなく、1平方メートルあたり20秒以上の時間をかけ、縦方向と横方向からクロスするようにヘッドをゆっくり動かします。カーペットのパイル(毛足)を起こすようにかけることで、奥に潜む卵やフン、幼虫を効率よく吸い出せます。ただし注意点として、吸い取った幼虫や卵は掃除機のダストカップや紙パックの中で生き残り、中で羽化して再び這い出てくるリスクがあります。掃除終了後は、紙パックやゴミをポリ袋に密閉し、殺虫スプレーを吹き込んでから即座に可燃ゴミとして密閉廃棄してください。
物理的駆除で最も確実な威力を発揮するのが、ノミの幼虫や卵に対する熱湯および高熱処理です。ノミの幼虫・卵・サナギを構成するタンパク質は熱に弱く、60℃以上の温度に数秒間さらされるだけで完全に死滅します。ペットが使用していた毛布、ベッドカバー、クッションカバー、洗えるラグマットなどは、60℃以上のお湯に10分以上浸け置きしてから通常通り洗濯機で洗うか、コインランドリーの高温乾燥機(70〜80℃)に20〜30分間投入するのが極めて有効です。
丸洗いや熱湯浸けが難しいカーペットや畳に対しては、家庭用スチームクリーナーやスチームアイロンの蒸気をゆっくり押し当てて熱処理を行う方法が効果的です。ただし、スチーム使用後は室内の湿度が上昇するため、換気扇やエアコンの除湿機能を併用し、部屋を乾燥させることが幼虫の再発を防ぐ条件となります。