軒天に使用されている建材の種類によって、耐久年数や適切なメンテナンス工法は大きく異なります。昭和から平成初期にかけて主流だった木質系材料から、現代の不燃建材へのシフトが進んだ経緯を理解しておくと、リフォーム時の判断が明確になります。
現在、新築および改修現場で最も広く採用されているのがケイカル板(ケイ酸カルシウム板)です。消石灰や珪酸質原料、補強繊維を高圧蒸気養生して成形した不燃ボードであり、耐火性・耐水性に優れ、腐食やシロアリ被害に強い特徴を持ちます。一方で、高度経済成長期から平成初期の木造住宅に多用された合板・ベニヤ軒天の耐用年数はおよそ10年〜15年程度と短く、経年劣化によって湿気を吸うと接着剤が劣化して表面がベロベロに剥がれ落ちる弱点があります。
素材選びにおいて特に配慮すべきは「通気性と不燃性」です。現在リフォームを検討している住宅の軒天が古いベニヤ板である場合、重ねて塗装するだけの延命処置は数年で塗膜ごと剥がれ落ちるリスクが高いため、ケイカル板への張り替え、または既存板の上からケイカル板を重ね張りする「カバー工法」が推奨されます。