なぜ、これほどまでに過激な毒舌が公の場で平然と吐き出されたのか。その背景には、対戦ゲームコミュニティの過酷なカルチャーが存在する。格闘ゲームをはじめとする競技空間では、対戦で使い物にならない不遇なキャラクターや弱すぎる装備に対し、スラングとして「人権がない」と表現するゲーマー用語が定着していた。
だが、身内ノリが通用しない外部の一般社会において、その言葉は単なる劣等感の扇動であり、身体的特徴に基づく差別発言でしかない。リアルタイムで視聴者と双方向のやりとりが続くライブ配信は、密室の熱気と無防備な感情をそのままオープンなウェブ空間へ垂れ流す毒刃にもなる。たぬかな氏の失言は、狭い界隈のローカルルールと一般的なコンプライアンス意識との間に横たわる、あまりにも深い断層を浮き彫りにしたのだった。