壊れない体を作った裏には、徹底した自己管理と先見の明があった。「カネやん」の愛称で親しまれた彼の破天荒な言動とは裏腹に、体のケアに対する姿勢は極めてストイックかつ科学的だった。
当時は「水を飲むな」「根性で投げ抜け」といった精神論が横行していた時代である。しかし彼は、独自の健康法とコンディショニング理論を確立していた。冷えを徹底的に嫌い、夏場でも温かいスープや白湯を好んで口にした。また、股関節の柔軟性を高めるストレッチや、毎日10キロ以上の走り込みを欠かさなかったと言われている。
左腕を冷やさないために真夏でも長袖を着用し、投球後のアイシングや適切なマッサージを導入したのも彼が先駆者だ。体を痛めないフォームと徹底した予防医学の実践こそが、過酷な連投に耐えうる鋼の肉体を作り上げた真の理由だった。