カレンダーの日付がそのまま人名になる現象は、世界の姓氏文化を見渡しても実に珍しい。なぜ旧暦の8月1日が苗字へと昇華したのだろうか。その根底には、日本人が古来より抱いてきた自然への敬意と、収穫の喜びがある。
旧暦8月1日は「八朔(はっさく)」と呼ばれ、農家にとっては初穂を刈り始める重要な節目の日であった。この日に収穫した穂を恩人や領主に贈る風習も広まり、やがてこの神事や行事を司る家柄や、その日に特別な功績を残した一族が「八月一日」の漢字を賜り、「ほずみ」と称するようになったとされる。単なる珍名ではなく、日本の豊かな農耕文化と歴史の証左がそこに宿っているのだ。