真島ヒロ氏の画業を語る上で欠かせないのが、前作『RAVE(レイヴ)』(1999〜2005年連載)から『FAIRY TAIL』、そして『EDENS ZERO』へと至る絵柄のダイナミックな変遷です。
デビュー当時の『RAVE』初期は、やや角ばった荒々しい線と泥臭いファンタジー描写が特徴的でした。しかし、連載が中盤から終盤へ進むにつれてキャラクターの等身が整理され、描線が滑らかで洗練されたスタイルへと劇的な進化を遂げます。『FAIRY TAIL』が始まった2006年は、まさにこの画力向上の過渡期にあたり、絵柄がポップでキャッチーになったタイミングと、世間での『ONE PIECE』の認知拡大期が重なったことで、より「似ている」という印象を強調してしまった背景があります。
特筆すべきは、その後の真島氏の絵柄の自立と進化です。連載中盤以降、真島氏は業界に先駆けてフルデジタル作画環境を構築。シャープなエフェクト処理、女性キャラクターの圧倒的な艶やかさ、立体感のあるスタイリッシュなアクション描写など、「真島ヒロ節」とも呼ぶべき独自のビジュアル言語を完全に確立しました。現在では、誰が見ても一目で真島作品と認識できる強烈な作家性を放っています。