家庭での渋柿加工において、ネット上の知恵袋やコミュニティ、家庭菜園フォーラムには毎年膨大なトラブル事例が書き込まれている。現場で実際に起きているリアルの声を検証すると、失敗のパターンは驚くほど類型化できる。
「実家からコンテナ1箱分の渋柿が届き、台所にあった料理用日本酒(14度)を振りかけて袋に詰めたが、2週間経っても舌が痺れるほど渋いままで全部捨てる羽目になった」(40代・主婦)という声は典型例だ。アルコール度数の不足は最もありがちなミスであり、最低でも25度、確実性を期すなら35度以上が絶対条件であることが実証されている。
また、近年の異常気象による被害も現場から多数報告されている。「11月上旬にベランダで干し柿を作ったが、20℃を超える夏日が続き、雨も降って青カビが大量発生した」(50代・会社員)というケースだ。温暖化が進む昨今、昭和の時代と同じ暦の感覚で10月下旬〜11月上旬に干し始めるのは極めて危険である。最低気温が安定して10℃以下になり、空気が乾燥する「11月中旬以降の木枯らしが吹くタイミング」まで待つのが、現代の確実な防衛策である。
万が一、脱渋日数を経ても渋みが残っていた場合(渋抜き失敗の原因)は、慌てて廃棄してはならない。アルコール法で失敗した場合は、袋を閉め直して暖かい部屋(20℃〜25℃)に移してさらに3〜4日置くか、皮を剥いて加熱調理し「柿ジャム」や「柿プリン」へと加工すれば、熱の作用で残存タンニンが不溶化し、極めて美味しいデザートとしてリカバリーが可能である。