劇場へ足を踏み入れた観客がまず圧倒されるのが、擂り鉢(すりばち)のように舞台を取り囲む半円形の座席配置です。公式スペックにおけるヨシモト∞ホールのキャパシティは218席。演劇用の中劇場や一般的な多目的ホールと比較しても極めてコンパクトな空間設計が施されています。
ネット上の口コミで頻調される「後方席でも表情の細部まで見えすぎる」という評価は、単なる誇張ではありません。客席は最前列のA列から最後列のH列までわずか8列しかなく、最前列から舞台までの距離はおよそ1.5メートル、最後列のH列中央席からでも舞台中央までの実測直線距離は約10メートル前後に収まります。
特筆すべきは、C列以降から急勾配で競り上がる階段仕様のフロア設計です。前の座席に座る観客の頭部が視界を遮りにくい構造となっており、後方席であってもいわゆる「死角」が生じにくい配慮がなされています。劇場の常連ファンがSNSや掲示板で「H列でも並の劇場の3列目相当の体感」と評する理由は、この立体的な渋谷無限大ホール 座席表の断面設計に裏付けられています。
前方のA列からB列では芸人が床を踏み鳴らす振動や衣装の擦れる音、飛び散る汗の飛沫まで肌で感じられる一方、視線が演者の膝下あたりに位置するため、全体像を俯瞰してコントの小道具配置やフォーメーションを把握したい鑑賞層にとっては、D列〜F列の中央ブロックがもっとも視界バランスに優れた特等席として支持されています。