飼い主のコミュニティや相談現場において頻発するトラブルの背景には、犬側の身体的・心理的なSOSが隠されています。決して「反抗している」わけではありません。
急に指示に従わなくなったり、前足を触られるのを嫌がったりする場合、肉球のひび割れ、巻き爪、あるいは肘や肩関節の痛みを疑う必要があります。特にシニア期に入った犬や大型犬では、変形性関節症による初期の違和感が「お手拒否」として現れる事例が多く報告されています。昨日までできていた動作を突如避けるようになったら、まずは動物病院での触診を検討してください。
差し出した手を甘噛みしたり本気で噛もうとするケースでは、2つの要因が考えられます。1つは、手のひらの中にあるおやつを強引に奪おうとする「興奮状態」です。もう1つは、過去にお手を教える際、前足を強く握られたり無理に引っ張られたりした記憶による「防衛行動」です。噛みつきが見られる場合は、手でおやつを直接握るのをやめ、クリッカーや声による合図を出した直後に、別の場所(床など)にご褒美を置く方式へ切り替える必要があります。