本作の代名詞とも言える渋谷スクランブル交差点でのドリフト逃走劇には、ハリウッド映画史に残るクレイジーな裏側が存在します。道路使用許可の取得が世界一厳しいとされる日本において、ロケ誘致は困難を極めました。そこで敢行されたのが、映画ファンの間で語り継がれるワイルドスピードX3の渋谷ロケ撮影秘話です。
ジャスティン・リン監督率いる撮影隊は、無許可でのゲリラ撮影を決行。万が一警察に拘束された場合に備え、監督の身代わりとして「現場監督」を名乗るスタッフを一人用意し、実際にそのスタッフが一晩留置場に入ったという強烈なエピソードが残されています。実写ゲリラ映像とロサンゼルスの巨大セット、そして当時の最先端CGIを融合させたことで、群衆がモーセの海割りのように逃げ惑う圧巻の渋谷ドリフトシーンが誕生しました。
このアグレッシブな映像体験を極限までブーストさせたのが、ワイルドスピードX3サントラにおけるテルヤキボーイズの存在です。ILMARI、RYO-Z、VERBAL、WISE、NIGOによって結成されたTERIYAKI BOYZが歌う主題歌『Tokyo Drift (Fast & Furious)』は、ファレル・ウィリアムス率いるザ・ネプチューンズの不穏で中毒性の高いビートが世界中で大ヒット。SNS時代を経た現在でも、リール動画やTikTokのカーカルチャー系ミーム音源として世界中でバイラル再生され続けています。