ネット上の質問サイトやSNSにおいて頻出するのが、「クイックシルバーを着るのはダサいのか?」「適正な年齢層は何歳くらいなのか?」というリアルな評判・口コミです。一部で「平成の遺物」「おじさんサーファーの制服」と揶揄される背景には、ブランドが歩んできた認知度の高さゆえのパラドックスがあります。
1990年代から2000年代初頭にかけて、クイックシルバーの巨大ロゴがプリントされたTシャツやショートパンツは、海辺のみならず街中の若者の間で爆発的なブームを巻き起こしました。当時その熱狂を体験した世代が現在40代から50代に達しているため、「当時のイメージのまま着用している中高年」というステレオタイプが一部で定着したことは否めません。
しかし、近年の国内市場における購買者動向を追うと、実態は大きく異なっています。現在の支持層は明確に3つのセグメントへと分化しています。
第1の層は、30代から50代の実力派・ファミリー層(全体の約45%)です。彼らは過剰なロゴ主張を避け、最高峰の伸縮性を誇るボードショーツや保温性に優れたウェットスーツといった「道具としての本質」を評価して購入を続けています。
第2の層は、10代から20代のアクションスポーツ愛好者およびストリート層(全体の約35%)です。昨今の90年代カルチャーやY2Kファッションの再燃により、あえてオールドスクールなサーフテイストを取り入れる若年層の間で、ヴィンテージやコラボラインが新鮮なアイコンとして受容されています。
第3の層は、学校生活や部活動で大容量バッグを愛用する中高生・学生層(約20%)です。耐久性と防水性に優れたリュックが実用ギアとして絶大な信頼を集めています。結論として、過剰に年齢を気にする必要はなく、自分のスタイルや用途に合致したラインを選択しているかどうかが評価の分水嶺となります。