鬼殺隊の最高位である風柱として君臨する不死川実弥が、なぜネット上で「さねみん かわいい」と称され、これほどまでに熱狂的なファンコミュニティを形成しているのでしょうか。その最大の要因は、圧倒的な「恐怖」から「深い慈愛」へと認知が180度反転する心理的カタルシスにあります。
初登場の柱合会議において、実弥は禰豆子の入った木箱を刀で突き刺し、自らの腕を傷つけて「稀血(まれち)」を晒すという狂気じみた行動に出ました。当時の読者アンケートやファンの第一印象では「最も嫌いな柱」に挙げられることも少なくありませんでした。しかし、物語が進行するにつれ、その凶暴性が「鬼に対する純粋な憎悪」と「大切な者を二度と失いたくないという過剰な防衛本能」の裏返しであったことが明かされます。
さらに、ファンを決定的に虜にしたのが、公式スピンオフや本編で明かされた「おはぎ(ぼたもち)が大好き」という意外すぎる素顔です。柱稽古編では、冨岡義勇から「おはぎを懐に忍ばせて渡せば仲良くなれるのでは」と天然な提案をされるなど、強面剣士のコミカルかつ愛らしい一面が描かれました。血生臭い戦場に身を置きながら、甘味を前に照れ隠しをする人間味あふれるギャップこそが、「鬼滅の刃 さねみん」という愛称がファンダム全体へ浸透した決定打と言えます。