サザン「忘れられたBig Wave」の真実|稲村ジェーンと名曲の深層

サザン「忘れられたBig Wave」の真実|稲村ジェーンと名曲の深層

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1990年1月13日、サザンオールスターズは通算9作目となるセルフタイトル・アルバム『SOUTHERN ALL STARS』(通称・カブトムシ)をリリースしました。同作の10曲目に収録され、同年9月1日に発売された映画サウンドトラック『稲村ジェーン』にも収められたのが「忘れられたBig Wave」です。

桑田佳祐自らが初メガホンを取った映画『稲村ジェーン』は、1965年の神奈川県・稲村ヶ崎を舞台に、サーフィンに青春を捧げる若者たちのひと夏を描いた人間ドラマでした。劇中で主人公たちが待ち焦がれる「伊勢湾台風がもたらす伝説の大波(Big Wave)」は、単なる自然現象ではなく、彼らの若さ、情熱、そして二度と戻らない時間そのもののメタファーです。

当時の制作ドキュメントや音楽雑誌のインタビューにおいて、桑田佳祐は「映像の背後で波の音と共に立ち上る、切なくも美しい空気感を音だけで成立させたかった」と述懐しています。本作は映画の劇伴という機能を超え、桑田が抱く「失われゆく日本の美しい夏の原風景」に対する祈念のような響きを宿して生み出されました。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。