中之条町の広大な面積(約439平方キロメートル)に展開する展示は、主に6つの特徴的なエリアに分かれています。それぞれのエリアが持つ歴史的背景と建築の個性が、作品展示の強固な土台となっています。
まず外せないのが、かつての中之条高校の旧木造校舎を活用し、数々の名作映画のロケ地としても知られる伊参スタジオを中心とした伊参エリアです。教室の窓から差し込む秋の斜光、板張りの講堂に響くインスタレーションの音響など、ノスタルジーと前衛表現が融合した圧倒的な密度を誇ります。
透明度の高い四万川沿いに広がる四万温泉エリアでは、情緒豊かな温泉街の路地や共同浴場の周辺に作品が点在します。「四万温泉 アート巡り」と称されるこの散策ルートは、温泉情緒と現代美術が交差する独自の景観を生み出しており、川沿いの遊歩道を歩きながら偶然アートに出会う贅沢な時間を楽しめます。
さらに、江戸時代からの重厚な町並みが残る中之条市街地エリア(ふるさと交流センター「つむじ」や旧廣盛酒造)、湯治場としての長い歴史を持つ沢渡温泉エリア、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている赤岩集落を含む六合エリア、そして峠の自然を活かした暮坂エリアなど、地域ごとにまったく異なる表情のアート体験が待ち構えています。