1996年に放送された『古畑任三郎』第2シーズン第1話「赤か、青か」。木村拓哉が演じたのは、遊園地の観覧車に爆弾を仕掛けた爆破魔・林功だ。電子工学の研究者というインテリでありながら、自らの頭脳を誇示するかのように社会を威嚇する冷酷な犯行。当時、若者文化のカリスマとして絶大な人気を誇っていた木村が、あえて陰惨で身勝手な犯人役を引き受けたことは、テレビ界に巨大な衝撃を与えた。
クライマックスで突きつけられる極限の選択。時限爆弾の配線を切る際、残されたのは赤か、青か。古畑との駆け引きが極限状態に達するなか、焦燥とプライドが交錯する木村の表情変化は圧巻の一言に尽きる。緊迫するロケーション撮影と二人の鋭いセリフの掛け合いは、従来の刑事ドラマの枠組みを遥かに超えたクオリティを見せつけた。