主演に抜擢されたのは、鋭い身体能力と重厚な演技力で邦画シーンの最前線に立ち続ける佐藤健だ。彼が演じるのは、不条理な運命の悪戯に翻弄され、自らの尊厳と命をかけて「豆腐の角」と相対する孤高の男。これまで数々のシリアスなアクションやサスペンスで培ってきたストイックな芝居が、本作のブラックコメディとしての強度を極限まで引き上げている。
撮影現場からの漏れ聞こえる情報によれば、スタジオ内の空気は常に異様な緊張感に包まれていたという。コンクリートと同等の強度を持つ特殊造形の豆腐模型を前に、佐藤健は数十テイクに及ぶ倒れ込みを自ら志願。首の角度や目線の揺れ、倒れる瞬間の筋肉の弛緩に至るまで、極限のリアルを追求した鬼気迫る演舞が繰り広げられた。