てんかんと発達障害の併発と誤診|見分け方と最新治療・支援の全貌

てんかんと発達障害の併発と誤診|見分け方と最新治療・支援の全貌

てんかんと発達障害の併発と誤診|見分け方と最新治療・支援の全貌の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

日本神経学会や日本小児神経学会などの専門機関が公表する臨床知見において、てんかんと発達障害の併発リスクは極めて重要なテーマとして位置づけられています。一般人口におけるてんかんの有病率はおよそ0.5〜1%(100人に1人程度)とされていますが、発達障害の当事者においてはその割合が跳ね上がります。

特にてんかんと自閉症スペクトラム(ASD)の併発率は顕著で、国内外の大規模調査ではASD患者の約20%〜30%がてんかんを併発しているというデータが報告されています。さらに知的障害(知的能力障害)を伴う重度のASDでは、併発頻度が40%近くに達することも珍しくありません。また、ADHDの当事者においても、一般人口に比べててんかんを併発する割合が数倍高いことが各種疫学調査で示されています。

なぜこれほど高い確率で併発するのでしょうか。近年の神経生物学では、脳の「興奮性神経(グルタミン酸など)」と「抑制性神経(GABAなど)」のバランスの崩壊(E/Iバランスの不均衡)が共通の原因として指摘されています。脳内の神経ネットワークを適切に抑制するブレーキ機能が未成熟であったり機能不全を起こしたりしている場合、情報処理の偏りとしての発達障害特性が現れると同時に、異常な電気信号の暴走としてのてんかん発作が誘発されやすくなるのです。

また、乳幼児期に発症する小児てんかんと発達の遅れにも強い因果関係が存在します。発症初期の激しい発作や潜在的な脳波異常が脳の発達過程に干渉し、言語獲得の遅れや認知機能の停滞をもたらすケース(てんかん性脳症など)も確認されており、早期の正確な診断と発作制御が生涯のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を左右します。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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