発売当時の1989年5月、森高千里は20歳の誕生日(4月11日)を迎えたばかりでした。「17才ではない女性が『17才』を歌う」というシチュエーションは、当時の音楽ジャーナリズムでも大きく取り上げられました。
当時のインタビューや音楽誌のレビューを振り返ると、彼女自身が語っていたのは「背伸びをするのではなく、少し大人の視点から17才という特別な季節を演じきる面白さ」でした。単なる懐古趣味ではなく、客観的なパフォーマーとして舞台に立つ姿勢が、当時のカルチャー関係者から「ポストモダン的アイドル」と絶賛された背景です。
ネット上のコミュニティやリアルタイム世代の証言でも、「ただ可愛いだけでなく、どこかクールで知的な距離感があった」「媚びない笑顔と鋭いドラム演奏のギャップにやられた」といった声が根強く残っています。ビジュアルの華やかさの裏にあった音楽的実力とセルフプロデュース能力の高さこそが、一発屋で終わらなかった決定的な理由です。