指導現場において、中学生の提出作品約200点を分析した指導員への取材では、失点の約7割が「最初の文字の巨大化」と「繚の墨量オーバー」に集中しているという明確なデータがあります。
条幅(書き初め用紙)に向かうと、生徒はどうしても1文字目の「百」を大迫力で書こうとしがちです。その結果、「百」が紙面の30%以上を占領し、続く「花」も大きくなり、3文字目の「繚」を書く頃には紙面が圧迫されて文字が押し潰されるという連鎖が起きます。
もう一つの典型的な落とし穴が「硯の墨をつけ直すタイミング」です。「花」を書き終えた後、不安からたっぷりと墨を含ませて「繚」に挑んでしまうと、16画が滲み合って真っ黒な塊になります。「繚」に入る直前は、筆先を硯の縁でしっかり整え、やや渇筆(かすれ)が出るくらいの適正な墨量で挑むのが、現場で実証されている成功の鉄則です。