ネット上のQ&AサイトやSNSで年間を通じて投稿が絶えないのが、「外から聞こえる謎の鳴き声の正体を知りたい」という相談です。特に人間の活動が静まる時間帯の鳴き声は心理的な不安を煽りやすく、多くの誤解を生んでいます。
代表的な事例が、鳥の鳴き声が早朝にピーピーと響き渡るケースです。夜明け前の午前4時〜5時台、甲高く「ピィーッ!ピィーッ!」あるいは金属的な「キーヨ、ヒーヨ!」と叫ぶ主は、ほぼ間違いなく中型鳥類のヒヨドリです。ヒヨドリは警戒心が強く声量が極めて大きいため、窓を閉めていても室内に突き刺さるように響きます。また、小刻みに「ツピーツピー」「ピーツピ」と澄んだ声で繰り返す場合は、都市適応を果たしたシジュウカラの縄張り宣言(さえずり)です。
一方、鳥の鳴き声が夜にホーホーと聞こえた場合、多くの人は「フクロウが住宅街にいるのでは」と想像しがちです。しかし市街地において、この声の主の約8割はハト科のキジバトによるものです。キジバト特有の「デーデー ポッポー」というリズムの後半部分だけが反響して届くと、重々しい「ホーホー」に酷似して聞こえます。初夏から初秋にかけての夜間、街灯の周囲で「ホッホッ、ホッホッ」と規則正しく2声ずつ繰り返す場合は、フクロウ科の夏鳥であるアオバズクが街路樹に潜んで獲物を探しているサインです。