クラウドファンディングやギフティングを通じて、引退馬の余生を支える輪が急速に広がっています。SNSやファンコミュニティでは「支援した馬に会いに行きたい」という熱い想いが語られる一方、現場の生産者やスタッフの間には複雑な温度差も存在します。
引退馬支援ネットの反応を検証すると、支援者側からは「資金を出しているのだから近寄って写真を撮りたい」「牧草をあげて触れ合いたい」という過度な期待を寄せる声が一部で見受けられます。これに対し、日高地方の育成牧場スタッフは現場のリアルな苦悩を次のように証言しています。
「支援していただけることは本当にありがたく、馬の福祉にとっても素晴らしい前進です。しかし、サラブレッドは極めて繊細で臆病な動物です。見知らぬ人間が突然近づくだけでパニックを起こし、牧柵に激突して骨折・予後不良(安楽死)に至る危険性があります。私たちが守りたいのは、ファンの満足度以上に『馬の命と安全』なのです」
支援することと、私有地である牧場での自由な振る舞いを混同してはならないという意識が、今まさにファンコミュニティ全体に求められています。