侑輝大弥のキャリアにおける最大の分水嶺となったのが、2026年宝塚大劇場・東京宝塚劇場で上演された『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』の新人公演初主演です。
当時トップスターであった柚香光が演じた難役、天才ピアニストのフランツ・リスト。容姿端麗でありながら内面に激しい苦悩と孤独を抱える複雑なキャラクターに、侑輝大弥は真正面から挑みました。ピアノに向かう指先の繊細さ、愛と名声の間で引き裂かれる情熱的な叫び、そして長身に映える華美な19世紀の衣装さばきは、単なる若手の挑戦という枠組みを超え、劇場の空気を支配するほどの迫力を生み出しました。
終演後の舞台挨拶で見せた初々しくも誠実な涙と感謝の言葉は、多くのファンの胸を打ちました。柚香光が持っていた「視線ひとつで物語を語る色気とドラマ性」を吸収しつつ、自身の持ち味である直情的な熱量を注ぎ込んだこの主演経験が、役者としてのスケールを一段引き上げる決定打となりました。