高齢者の大動脈弁狭窄症は「年のせい」?見逃すと危険な初期症状と80代最新治療

高齢者の大動脈弁狭窄症は「年のせい」?見逃すと危険な初期症状と80代最新治療

高齢者の大動脈弁狭窄症は「年のせい」?見逃すと危険な初期症状と80代最新治療とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

大動脈弁狭窄症の根治には、硬くなった弁を人工弁に取り替える外科的処置が必要です。現在、日本国内で選択される主な治療法には、従来から実績のある「開胸による大動脈弁置換術(SAVR)」と、太ももの付け根などからアプローチする「経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)」の2種類が存在します。

項目開胸手術(SAVR)経カテーテル手術(TAVI)高齢者における評価・特徴手術手法・切開胸骨を正中切開(約15〜20cm)太もも等の血管から穿刺(数ミリ)TAVIは骨を切らず傷口が極小人工心肺の使用必要(心臓を一時停止)不要(心臓を動かしたまま留置)TAVIは主要臓器への血流遮断負荷がない平均入院期間2〜3週間程度5日〜1週間程度TAVIは術後翌日から歩行・リハビリ開始主な適応年齢層75歳未満、活動性が高い患者80歳以上、または手術高リスク群80代以降は第一選択となるケースが大半保険適用・自己負担保険適用(高額療養費制度対象)保険適用(高額療養費制度対象)75歳以上は上限適用で実質月数万円〜

開胸手術は長期的な弁の耐久性に優れ、解剖学的な制約が少ないという強みがある一方、全身麻酔や人工心肺装置の使用、骨の癒合に要する時間など、身体にかかるストレスは決して小さくありません。これに対し、2010年代以降に日本へ導入され進化を重ねてきたTAVIは、カテーテルを用いて折りたたんだ生体弁を心臓内の患部まで運び、バルーンや自己拡張機能で広げて留置します。心臓を止める必要がなく、出血量も極めて少ないため、体力が低下した高齢者にとって圧倒的に安全な選択肢となっています。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。