水木しげるが遺した言葉には、極限状態を生き抜いた者だけが持つ圧倒的な説得力があります。
「戦争なんて、腹が減るばかりで何もいいことはない」
大義名分を掲げて戦争を賛美する言論に対し、水木は常に「兵士の腹の減り具合」や「排泄」「睡眠」といった人間の根源的な営みから戦争の本質を突きました。
「戦死した者が一番えらいなんてのは、真っ赤な嘘だ。生きていなきゃ何にもならない」
お国のために命を捨てることを強要された時代を生き、親友や戦友の死を無数に目撃したからこそ、「生き抜くこと」そのものへの絶対的な肯定が全作品を貫くコアとなっています。