現場となった道志村の山林は、急斜面と入り組んだ沢が点在する極めて過酷な地形を誇る。発覚直後、山岳救助隊と警察捜査本部は大規模な捜索態勢を敷いた。しかし、密生した樹木と複雑な起伏が視界を大きく遮り、熱センサーやドローンを駆使しても難航を極めた。
捜索活動の初期段階において、現場付近の沢沿いや尾根筋は夜間の気温低下が激しく、痕跡の失われやすい環境でもあった。地元ボランティアや専門捜索チームの懸命な努力にもかかわらず、自然の障壁は厚く立ちはだかった。当時の現場指揮官を知る関係者は「一歩足を踏み入れれば方向感覚を失うほどの深い森林地帯であった」と回想する。