数々のサプライズの中で、視聴率を跳ね上げ、放送翌日の学校や職場の話題を独占した「神回」には共通する構造があります。それは「圧倒的なリスペクト」と「予想を覆す本人のノリの良さ」が奇跡的な調和を見せた瞬間です。
筆頭に挙げられるのは、コロッケ氏と美川憲一氏の歴史的邂逅です。当時、ヒット曲に恵まれず低迷期にあった美川氏の「さそり座の女」をコロッケ氏が斜め上を行くロボットダンスと大げさな流し目で誇張。そこへ豪華絢爛な衣装をまとった美川氏がサプライズで現れ、「もっと派手にやりなさいよ」と芸を公認した瞬間、美川氏自身がバラエティの寵児として劇的な復活を遂げました。ものまねがオリジナルを救済・再浮上させた芸能史上の金字塔です。
また、平成の『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦』におけるミラクルひかる氏と宇多田ヒカル氏を巡るドラマも外せません。ミラクルひかる氏がデビュー初期から追求してきた宇多田氏の歌唱スタイルと独特のMC再現に対し、本人がSNS(当時のTwitter)で「めっちゃ似てる」「嬉しい」と反応。特番での対面やサプライズ演出を通じて、本人がパロディを完全に受容し、むしろ敬意を払い合う姿は視聴者に深い感動を与えました。
『ものまねグランプリ』等で見られる近年のサプライズでは、アーティスト本人がものまね芸人の衣装を身にまとって入れ替わりで登場するパターンや、本人が芸人のデフォルメした動きを逆輸入して一緒に踊る「ダブル本人」状態が、ネット上で大きなバイラルを生み出す鉄板の構図となっています。