名曲『逢いたくていま』が誕生した背景には、妥協なき楽曲制作への情熱と、ある深い歴史的体験がありました。2009年10月期に放送されたTBS開局60周年記念ドラマ『JIN-仁-』(主演:大沢たかお)の制作陣から主題歌のオファーを受けたMISIAは、原作漫画と脚本を徹底的に読み込み、作品の本質である「命の尊さ」「時代に引き裂かれる人々の絆」をどう音楽で表現すべきか深く思索を重ねました。
その制作過程でMISIAが訪れたのが、鹿児島県の知覧特攻平和会館でした。戦時中に特攻隊員たちが家族や恋人へ遺した最後の手紙を読んだ彼女は、「明日生きているかどうかも分からない極限状態で、人が最後に願うのは『もう一度、大切な人に逢いたい』という思いそのものである」という真実に直面します。
江戸時代へタイムスリップした脳外科医・南方仁と、激動の幕末を生きる橘咲や野風たち。いつ別れが訪れるか分からない過酷な運命の中で、言葉を交わせる「いま」という瞬間の尊さを歌い上げること——この強烈な原体験とドラマのテーマが融合したことで、単なるラブソングにとどまらない、全人類の胸を打つ普遍的なレクイエムが誕生しました。