「マックのハンバーガーが50円だった」という記憶は、いまやインターネット上で半ば都市伝説のように語り継がれていますが、これは紛れもない歴史的事実です。ただし、いつでも誰でも50円で買えたわけではありません。正確な期間は2002年2月25日から同年8月25日まで、時間帯も平日の開店から閉店までという条件付きの施策でした。
この狂乱のディスカウント劇には、明確な前哨戦が存在します。口火を切ったのは、2000年4月にスタートした「平日半額キャンペーン」でした。当時の通常価格130円だったハンバーガーを平日に限り65円、160円だったチーズバーガーを80円に引き下げたところ、店舗前には連日長蛇の列が発生。平日昼時の客足が劇的に伸び、マクドナルドは「デフレ時代の勝ち組」の筆頭としてメディアを席巻しました。
しかし、競合他社が追随して低価格競争が泥沼化するなか、マクドナルドが2002年2月に放った次なる一手が「ハンバーガー平日50円(チーズバーガー60円)」という驚異の値下げでした。1971年の日本進出時に80円でスタートしたハンバーガーが、30年以上の時を経て半額以下の50円にまで下落した瞬間でした。当時の店頭では、小銭を握りしめた学生やサラリーマンがカウンターを埋め尽くし、トレイの上に積み上げられた無数のバーガーが日常の光景となったのです。