ロード長距離界で起きた「厚底革命」以降、トラック競技におけるシューズ規定は世界陸連(World Athletics)によって厳格に法制化されました。ネット上や一部のコミュニティでは「短距離も長距離のように何センチでも厚くできるのか」という誤解が散見されますが、短距離シューズ厚底規定と真相を正しく把握しておく必要があります。
世界陸連の技術規定(Technical Rules)に基づき、800m未満のトラック種目(100m・200m・400m・各種ハードル)で使用可能なスパイクのソール厚(スタックハイト)は最大20mm以下と定められています。公式競技会でこの規定値を超過したシューズを着用した場合、失格および記録非公認のペナルティが科されます。
短距離スパイクが「厚底」と呼ばれる理由は、長距離用シューズ(トラック20mm規定、ロード40mm規定)のように物理的なソール全体が厚いからではありません。「規定上限の20mmギリギリまで高反発フォームを充填し、カーボンプレートを内蔵した構造」を指しています。従来の薄底スパイクが数ミリ〜10ミリ程度のソール厚であったのに対し、20mm限界までフォームとエアを詰め込んだ設計が、視覚的・体感的な「厚底化」として定着したのが真相です。